空間において天井の面積は広く、そこに足を踏み入れた人にとって印象を大きく左右します。一方で面積が広い分、仕上げ材のコストがかかるのも悩ましいところです。
そんな悩みに応えられるのが、デザイン性がよく、コストパフォーマンスに優れる石膏ボード。よく見かける素材ですが、さまざまな場所で使われるのには、それなりの理由があるのです。
今回は天井に石膏ボードを使う場合のメリットや、長持ちさせるコツ、知っておきたい注意事項を紹介します。
■天井に石膏ボードを使用するメリットとは?
石膏ボードとは、石膏を芯材として両面をボード用原紙で覆った建築用の内装材のことで、一般住宅はもとより、商業施設やオフィス、病院など幅広い建物で採用されています。天井や壁の下地材として使われますが、なかには化粧加工を施してそのまま仕上げ材として使えるタイプもあります。
安全性が気になる……という方もいらっしゃるかもしれませんが、石膏はカルシウムを主成分とした自然の鉱物。医療分野ではギプスや歯の型取りに使われており、ビールなどをつくる際の食品添加物にも使われています。よく建材で問題になる石綿は、石膏ボードには含まれておらず、加工する際に出る粉も石綿としての毒性はないとされています。
では、石膏ボードの特徴をみていきましょう。
・コストパフォーマンスの良さ
石膏ボードは素材としての原価が低いのが特徴で、同程度の合板と比べても安いのがメリット。比較する合板のグレードにもよりますが、3分の1ほど安く済むという声もあります。
また加工もしやすく、カッターで簡単に切断できます。接着やビス止めも支障なくできるので、工事期間を短縮でき、施工費用も含めてトータルでコストを抑えられます。
さらに以下のように、防火性能、断熱性能、遮音性能にもすぐれるので、コストパフォーマンスの良い素材と言えるでしょう。
・すぐれた防火性能をもち断熱性も高い
石膏ボードの芯材は無機質の石膏なので、防火材料として認められています。石膏には、約20%の結晶水が含まれており、万が一、火災が起きた場合には、石膏ボードが高温にさらされることで結晶水が熱分解し、水蒸気となって放出され、温度上昇を遅らせる効果があります。また石膏には伝熱を防止する役割もあり、断熱性にもすぐれています。
・音響性能が高いので防音効果も
石膏ボードには音を通しにくい性質をもっています。ただし1枚を接着剤で天井に張るよりも、厚みのあるタイプを使ったり複数枚を重ね貼りしたり、吸音材と併用することで、さらに高い遮音性能を得ることができます。実際に石膏ボードはアパートの住戸同士の壁や、ホテルや病院のように静けさが必要とされる場所でも使われています。
■石膏ボードの天井ではどんなデザインができる?
では、石膏ボードを使った天井では、どんなデザインができるのでしょう?
・もっともコスパがよいのはフラット天井
石膏ボードのコストパフォーマンスの良さを活かすのなら、化粧用の石膏ボードをそのまま仕上げに使うフラットタイプの天井です。
化粧石膏ボードは、石膏ボードの表面紙に、柄つきのものやプラスチックシートを採用したり、塗装や型押し加工を施したタイプのボードです。色や寸法などのバリエーションが豊富なので、空間の雰囲気に合わせた適切なタイプを選ぶべく、内装のプロにアドバイスを仰ぎましょう。
・下地として使う場合、塗装とクロス張りどちらがよい?
石膏ボードを下地として、好みの塗料を塗ったりクロスを張ったりして仕上げることも可能です。
塗装仕上げは、色の変更や塗り直しが簡単なのがメリットですが、工事費用がクロス張りより高くつくことも。
対してクロス張りは、塗装よりも施工や補修が簡単なのが特徴です。
ただし塗装の場合は、既存の上から塗り直すこともできるのに対し、クロスは張り替えの際に既存のクロスを剥がす必要があります。
・デザイン自体のバリエーションを楽しむことも
化粧石膏ボードをフラット天井として使うよりはコストアップしますが、石膏ボードを下地として、さまざまなデザインを楽しむことができます。
たとえばアーチ型天井や、折り上げ天井のように異なる高さで空間にアクセントをもたらす天井をつくることもできます。
しゃれた飲食店や美容室などでアイキャッチとなるような、デコラティブなモールディングも、石膏ボードに取り付けることが可能です。
■石膏ボードの天井にする際に注意しておくべき点とは?
一方で石膏ボードを天井に使う時に、知っておきたい注意事項もあります。
・水や湿気に弱め
石膏ボードは石膏と紙が主原料なので、水に非常に強いわけではありません。石膏は水分を含むと強度が低下してしまいます。したがって、トイレや水回り、キッチンなど湿気を避けたい場所は、防水加工が施された石膏ボード(シージング石膏ボード)を使うことが推奨されています。
・耐衝撃性の弱さ
石膏ボードは面の衝撃に強く、地震などで建物が揺れても、簡単にヒビが入ったりすることはありません。ただし点の衝撃に弱く、鋭いものをぶつけると欠けたりすることがあります。とは言え天井に内装材として使うのなら、頻繁にモノをぶつけるようなこともないので、それほど気にしなくてよいでしょう。
■石膏ボードの天井のメンテナンスは必要?
石膏ボードは適切なメンテナンスを行うことで、耐久性を保つことができます。
まずは結露が発生しづらいように、水を使用するキッチンやトイレなどでは耐水性のあるシージング石膏ボードを採用したり、換気を十分にしたりする必要があります。
そして汚れに対しては、やわらかい布などで拭き取るのが基本です。
ただし以前に紹介した床と異なり、天井は人による衝撃を頻繁に受けるようなことはなく、壁とも違って汚れるリスクも少ないので、それほど神経質にならなくてもよいでしょう。
もし汚れが目立つようなら、空調設備の結露によるカビという可能性も否めません。健康リスクも考えられるので、施工を依頼した業者にSOSを送りましょう。
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